胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは
胃潰瘍と十二指腸潰瘍は、胃酸によって胃や十二指腸の粘膜上に異常が生じます。胃潰瘍では食後の胃痛(心窩部痛)が、十二指腸潰瘍では空腹時に胃痛(心窩部痛)がみられる傾向にあります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍は病状・症状が進行していくと消化管壁に穴があく「穿孔」を引き起こし、大量出血を招く可能性があります。その際は緊急手術となります。
胃潰瘍・
十二指腸潰瘍の原因とは
胃は食べ物を消化する胃酸を分泌していますが、胃酸は強酸であるため、胃粘膜を保護する目的で粘液も一緒に分泌しています。その結果、人の胃は正常に保たれています。
胃酸と粘液の分泌するバランスが崩れてしまうと、胃粘膜でびらん(浅いキズ)・炎症が生じます。このびらん・炎症の度合いが進んでいくと胃粘膜や十二指腸粘膜に潰瘍ができてしまいます。胃にできた潰瘍を胃潰瘍、十二指腸にできた潰瘍を十二指腸潰瘍と言います。
胃酸と粘液の分泌されるバランスが崩れる要因としては、ストレス、睡眠不足、疲労、自律神経系の乱れ、香辛料・刺激物の過剰摂取、喫煙などです。また、ピロリ菌感染やお薬(鎮痛薬や解熱剤、抗凝固剤やステロイド系のお薬など)の長期服用が原因となることがあります。
胃潰瘍・
十二指腸潰瘍の症状
胃潰瘍や十二指腸潰瘍では、胃粘膜や十二指腸粘膜が傷ついた状態です。そのため、胃痛(心窩部痛)、吐き気などの症状がみられます。
胃潰瘍の場合は「食事中や食後3~4時間まで」の間で胃痛がみられます。一方で、十二指腸潰瘍の場合では「夕方や夜間」などの空腹の際に胃痛がみられます。
潰瘍の度合いが進んでいくと、粘膜の下にある血管を傷つけ出血してしまうことがあります。胃潰瘍や十二指腸潰瘍の際は血液が胃酸によって酸化されてしまうことで墨汁や炭のような真っ黒い便が出ます。また、潰瘍の度合いが更に進んでいくと吐血したり、胃や十二指腸に穴が開いてしまうことで腹膜炎が生じることもあります。
眠っている間に
終わる内視鏡検査
内視鏡検査(胃カメラ検査)は「苦しい」「ツライ」といったネガティブなイメージを持たれている方が多いかもしれませんが、綾瀬中央診療所では「患者さんが痛くない・苦しくない内視鏡検査」を提供できるようスタッフ一同協力しております。
当院の胃カメラ検査の特長
- 日本消化器内視鏡学会専門医による胃カメラ検査を実施
- 鎮静剤を活用した眠って受けられる胃カメラ検査を実施
- 鼻からの苦痛の少ない胃カメラ検査を実施
- 口からの胃カメラでも、苦痛の少ない細径スコープ(通常より細いカメラ)を使用
- 平日忙しい方でも気軽に検査を受けられるように土曜日も胃カメラ検査を実施
お問い合わせ
当院では消化器専門外来を実施しており、十二指腸潰瘍の診察・治療を行っております。胃腸の不調が続く場合は決して自己判断で放置せず、消化器内科を標榜しているクリニックで精密検査を受けて頂くことが大切です。
また、十二指腸潰瘍の症状は、薬物治療と生活習慣の見直しによっても改善が期待できますが、ピロリ菌に感染している場合は除菌治療を行って頂く必要があります。
「日本人の胃は繊細」と表現されることもあるように、日本人は昔から胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍など胃の病気が多い民族です。胃炎は、食生活の乱れやストレスといった、よくある生活習慣から起こります。 一時的な暴飲暴食・ストレスなどの場合、胃粘膜を刺激する原因を控え、数日安静にしているだけで症状が治る方も多いので、軽い病気と思われがちです。 しかし、胃粘膜の炎症が長く続くと、慢性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍など、別の病気を引き起こすことがあります。
胃腸の不調が続く場合には放置せず、医療機関できちんと検査することが大切です。 また、胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍の症状は、薬物治療と生活習慣の見直しによって、改善が期待できますが、ピロリ菌に感染している方は、再発予防のため除菌治療を行うことをおすすめします。
監修:綾瀬中央診療所(日本消化器内視鏡学会会員) 院長・医学博士 中川裕太