ピロリ菌

ピロリ菌とは

ピロリ菌とは

ヘリコバクター・ピロリ菌は胃の粘膜に生息している細菌です。ピロリ菌はウレアーゼという酵素を持っていて、その酵素がアンモニアを分泌するため、胃の中でも生息することができます。

ピロリ菌は幼少期に感染することが多いです。感染初期では特に自覚症状を感じることはありませんが、大人になってから慢性胃炎や胃潰瘍、胃がんなどの病気を引き起こします。

ピロリ菌と胃がんの関係

ピロリ菌に感染していると胃が痛いなどの自覚症状は感じにくいですが、実は胃の粘膜では慢性的に炎症が生じています。

ピロリ菌と胃がんの関係

※国立がん研究センターによる「多目的コホート研究」HPより引用

上図のように、ピロリ菌に感染している方は胃がんの発症リスクが高まる研究データが公表されています。ピロリ菌の検査を受けて頂き、感染している場合は、お早めに除菌治療を受けてください。

以下の症状に
該当する方は要注意です

  • 幼少期に上下水道が整っていないなどの衛星水準が低い環境下で過ごしていた
  • 幼少期に井戸水を飲んで暮らしていた方
  • ピロリ菌の除菌治療を受けてたことがある方
  • 身内でピロリ菌に感染していた方がいる
  • 慢性胃炎と指定された
  • 胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療を受けていた

当院ではヘリコバクター・ピロリ菌の検査と除菌治療を専門的に行なっています。些細なことでも構いませんのでお気軽にご相談ください。

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ピロリ菌の感染原因

(1)幼少期の生活環境

幼少期の生活環境ピロリ菌の感染者は50歳以上の方に多いと言われています。その理由としては、昔は上下水道が整っておらず、衛生環境は今と比べて低い水準でした。ピロリ菌に汚染している井戸水を幼少期に飲んでしまうことが原因となります。

※現在は上下水道の普及に伴い、生活環境が向上しています。そのため、ピロリ菌の感染者数は減少傾向にあります

(2)親からの感染

親からの感染ピロリ菌は幼児期に感染すると言われています。親がピロリ菌に感染している場合、その親から食べ物の口移しを受けるとピロリ菌に感染してしまいます。

また、コップの回し飲みや食器の共同利用なども感染する原因となります。

ピロリ菌感染による症状

腹痛の女性ピロリ菌に幼少期から感染していると、長い年月をかけて胃粘膜上に炎症が生じてしまい、慢性胃炎や萎縮性胃炎に繋がってしまいます。また、さらに病状が進んでいくと胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんを引き起こすことがあります。

つまり、ピロリ菌に感染すること自体は特に自覚症状を感じることはありませんが、ピロリ菌感染によって胃粘膜上で炎症がみられ、その結果として胃痛や吐き気、胃もたれ、胃の不快感などの症状を感じます。

ピロリ菌の診断治療方法

ピロリ菌に感染していると、胃カメラ検査時に胃粘膜上での炎症や萎縮が確認できます。ピロリ菌の診断治療に関しては、胃カメラ検査の受診を推奨します。胃カメラ検査を受けて頂き、ピロリ菌に感染していると判明した際は除菌治療を行っていきます。

胃カメラ検査を行わない検査方法では下記のような検査があります。

  1. 血液検査(抗体検査)
  2. 尿素呼気試験
  3. 便中抗原測定

ピロリ菌の感染を検査するために上記のような検査方法もあります。

胃カメラ検査胃カメラ検査だと胃だけでなく、食道や十二指腸の粘膜も観察することが可能です。つまり、胃カメラ検査を受けて頂くとピロリ菌の感染確認以外でも、胃がん、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、慢性胃炎、萎縮性胃炎などの病気の確認も併せて行えます。

また、ピロリ菌の除菌治療では、胃カメラ検査を受けて頂くと保険診療の範囲内で除菌治療を受けて頂けます。

当院では苦痛に感じることなく快適に胃カメラ検査を受けて頂けるように、鎮静剤を使ったり様々な工夫を行っております。詳細については胃カメラ検査ページもご覧ください。

胃カメラ検査について

ピロリ菌の治療方法

ピロリ菌の除菌方法ですが、主な治療方法は薬物療法となります。

1次除菌

ピロリ菌の除菌治療ではプロトンポンプ阻害薬(PPI、胃酸の分泌を抑えるお薬)と抗菌薬としてクラリスロマイシンとアモキシシリンの合計3剤を飲んで頂きます。この3剤は朝食後と夕食後に7日間毎日飲んで頂きます。ピロリ菌の1次除菌での除菌成功率は約70~90%です。

2次除菌

1次除菌でもピロリ菌の除菌が完了しなかった場合は2次除菌の適応となります。2次除菌も保険診療の適応となります。

2次除菌では1次除菌で処方したクラリスロマイシンをメトロニダゾールに変更し、3剤飲んで頂きます。飲み方は1次除菌と同じで朝食後と夕食後に、7日間飲んで頂きます。2次除菌を含めると、ピロリ菌の除菌成功率は90%以上です。

2次除菌でも除菌が完了しなかった場合は3次除菌の適応となります。3次除菌からは自費診療の適応となります。

ピロリ菌検査で
陽性と指摘された方へ

ピロリ菌の治療が保険適応となる場合と、自費診療となる場合の2種類あります。

除菌治療が自費診療となる方

  • 胃がん予防を目的にピロリ菌の検査を希望している方
  • 胃がん予防を目的にピロリ菌の除菌治療を希望している方
  • 他の医療機関でピロリ菌の検査を勧められた方

上記のような方は除菌治療が自費診療となります。要は胃がんの予防目的でピロリ菌検査を受けられる方は自費診療です。

除菌治療が保険診療となる方

  • 胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療を受けている方(受けたことのある方)
  • 胃MALTリンパ腫や特発性血小板減少性紫斑病の治療を受けている方
  • 早期胃癌に対する内視鏡治療を受けられた方
  • 内視鏡検査において慢性胃炎と診断された方

上記のような方はピロリ菌除菌治療が保険診療となります。

「自分がピロリ菌に感染していないか心配」「身内にピロリ菌に感染している方がいるから自分も感染していないか心配」といった理由で、ピロリ菌検査を受診される場合は自費診療となります。

保険診療でピロリ菌の除菌治療を受けるためには、胃カメラ検査を受けて頂く必要があります。他のクリニックで3カ月以内に胃カメラ検査を受診された方も、受診時に検査結果表をご持参して頂けると、当院で受けられるピロリ菌検査や除菌治療が保険診療となります。ご不明点等がございましたらお気軽にお問い合わせください。

除菌治療が保険診療となる方

お問い合わせ

当院では消化器専門外来を行っています。消化器専門外来でピロリ菌検査と除菌治療を実施しています。ピロリ菌に感染していると、胃がん、慢性胃炎、萎縮性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの罹患リスクが高まります。些細なことでも構いませんので気になることがございましたらいつでもお気軽にご相談下さい。

監修:綾瀬中央診療所(日本消化器内視鏡学会会員) 院長・医学博士 中川裕太

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