胃がんとは
がん細胞が胃粘膜に発生し、増殖を何度も行い大きくなる病気です。 初期の胃がん症状は乏しく、症状に気づくころには何年も進行していたケースが多いです。 胃がんは放置をすると範囲を広げて進行し、そのうち胃粘膜の外側に広がり、やがてリンパ節や他臓器に転移してしまいます。 胃がんの多くは腺がんで、分化型と未分化型に分けられます。
一般的に未分化型は進行が早いといわれています。また、粘膜表層で発育するのではなく、早期に粘膜深層で発育し、発見が困難なスキルス胃がんという癌もあります。
胃がんの病理分類
日本胃癌学会編.胃癌取扱い規約 第15版.2017年,金原出版,P26.より作成
胃がんのTカテゴリー(深達度)
日本胃癌学会編.胃癌取扱い規約 第15版.2017年,金原出版,P17.より作成
胃がんの原因
胃がんの原因は、ピロリ菌の持続感染、塩分過多や食物繊維不足、喫煙だと言われています。衛生状態の悪い途上国ではピロリ菌感染が多いのですが、例外的に先進国である日本は感染率の高い国となっています。若年層の感染率は低下していますが、中高年の感染率は高くなっています。
ピロリ菌に感染すると、慢性胃炎が進行し胃がんの発症リスクのある萎縮性胃炎を引き起こす可能性が高くなります。胃がんを発症している多くの方はピロリ菌に感染している事が分かっています。ピロリ菌の除菌治療が成功しますと、胃がんのリスクを下げるだけでなく、胃癌の再発リスクも抑えることができます。
また、次世代への感染予防ができます。
ほかのがん種と比べるとどのくらいの頻度か
国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)
どの年齢層で多いか
国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)
罹患数と死亡数
国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん罹患モニタリング集計(MCIJ))
国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)
国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)
年齢調整の罹患率と死亡率
国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん罹患モニタリング集計(MCIJ))
国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)
胃がんの症状
初期の胃がんは自覚症状がなく、進行しても症状が現れない事もあります。 症状が現れたとしてもその他の胃疾患の症状と同じようなもので、特長的な胃がんの症状はありません。 吐き気、胸焼け、胃の痛み、みぞおちの違和感、食欲不振、物が飲み込みにくいという症状で受診された方が内視鏡検査を受けて胃がんが見つかる事が多いです。 自覚症状が現れましたら、速やかに消化器内科の受診をしてください。
監修:綾瀬中央診療所 院長・医学博士 中川裕太